みなさんは「日本人の金融リテラシーは低い」という言葉を耳にしたことがありませんか。
最近ではこの一年間で自己破産の件数が7万件を超えたというニュースがあり話題になっていました。
このニュースでは自己破産が増えた原因にキャッシュレス決済が増えたことが挙げられるとしていましたが、私は結局日本人の金融リテラシーが低すぎるのが問題なんじゃないかと思います。
1年間で自己破産7万件超えは衝撃😱
原因はスマホでお金が借りやすくなったからってあるけど、そもそも金融リテラシー低すぎるのが問題ですよね… https://t.co/09PREXIInM— はるまき@資産運用ブログ (@harumaki_blog) February 18, 2020
今回は実際に日本国内で実施された調査をもとに、金融リテラシーとは何ぞや?というところから、諸外国と比べて日本人はどうなのかという内容まで、具体的な数字を交えて解説していきます。
日本人の金融リテラシーは本当に低い?
金融リテラシーとは何なのか
日本人の金融リテラシーを語る前に、まずは世間一般に言われる金融リテラシーとは何なのかを具体化していきましょう。
暮らしに身近な金融に関する広報活動を行う金融広報中央委員会が2019年に金融リテラシー調査を実施しており、その中では「最低限身に付けるべき金融リテラシー」として以下の項目が挙げられています。
出典元:金融リテラシー調査(2019年)(金融広報中央委員会)
ざっくりいうとお金やお金の流れに関する知識や判断力のことですね。
金融リテラシー調査では「家計管理や住宅ローン」など身近な内容から「金融経済情勢に応じた金融商品の選択」や「リスク許容度の理解」など、割と深いところまで突っ込んだ内容が挙げられています。私も実際に設問を見てみましたが、結構難しい問題が並んでいました。
ただどれも決して無視はできない内容であり、今後の人生100年時代を生き抜くためには最低限身に付けておくべき知識だと思います。
金融広報中央委員会が実施した金融リテラシー調査では、これらの知識を問う基本問題53問+アドホック(時事問題)3問を18~79 歳の 25,000 人を対象にアンケート形式で実施しています。
次はその金融リテラシー調査結果から日本人の金融リテラシーを具体的な数字で確認してみましょう。
数字で見る日本人の金融リテラシー
ここからは具体的に2019年に実施された金融リテラシー調査の結果を確認していきます。
調査結果の概要は以下の通りでした。

出典元:金融リテラシー調査(2019年)(金融広報中央委員会) 3-1-3.調査結果の要旨
それぞれの分野別での正答率が前回調査時(2016年)と比較して記載されています。
分野別の正答率は大体50%前後で「金融取引の基本」という項目だけ74%と抜き出て高いですね。この項目は主に「情報の入手元や契約相手が信頼できる者かどうかの確認の習慣化」ということを測っているようです。
相手が信頼できるかどうかは非常に重要ですが、裏を返せば日本人の疑り深い性格が出ているとも言えますね(笑)
その他は4択問題で正答率が50%程度なので、資格試験なら不合格です!
また年代別ではより年齢層が高いほど正答率は高くなる傾向にあります。

出典元:同上
年を重ねるごとに保険や住宅ローンなど様々な金融商品に触れる機会も多くなり、それだけ金融リテラシーも身に付くということでしょう。
前回調査時(2016年)と比較すると、すべての項目において正答率が上がっています。これは日本人の金融リテラシーが全体的に底上げされているということであり、良い傾向ですね。
個人的に興味深かったのは年収別や金融資産別の正答率の分布です。

出典元:金融リテラシー調査(2019年)(金融広報中央委員会) 金融知識等の属性別分析
年収が多いほど、さらに保有する金融資産が高いほど金融リテラシーが高いという調査結果になっています。
年収が上がって資産に余裕が出来た人ほど金融リテラシーに興味がわいて知識が身に付くという見方もできますが、その逆で金融リテラシーが身に付いたからこそ資産形成できたということも言えますね。
老後2,000万円問題が昨今話題になっていますが、この問題を解決するためには金融リテラシー教育は必須であり、国としてもう少し力を入れるべきではと私は思います。
海外の調査結果との比較
ここからがこの記事の本題です。
果たして世間で言われるほど日本人の金融リテラシーは低いのでしょうか。海外との調査結果を比較した箇所がありましたので確認してみます。

出典元:金融リテラシー調査(2019年)(金融広報中央委員会) 3-2.海外調査との比較
国内と海外での調査で共通の正誤問題に関して、平均正答率は日本が47%、米国が53%と米国が日本を上回る結果でした。
年齢が高くなるほど、年収が高くなるほど数値が上がるのは共通していますが、なんと「金融知識に自信がある人」の割合が米国では76%と驚異的な数値となっています。
他のOECDで実施された調査結果との比較もありました。

結果はこの通り日本はイギリス・ドイツ・フランスの中でも最低の正答率でした!
金利に対する理解度は高いものの、複利に対する理解度は極端に低いです。投資をやっていれば自然に複利の知識も付くと思いますが、それだけ投資が浸透していないということでもありますね。
これは日本人は金融リテラシーが低いと言われても何も言い返せませんね…
そもそもなぜこれほどまでに日本人には金融リテラシーが浸透していないのでしょうか。そのあたりは以前考察記事を書いているのでこちらも是非参考にしてみて下さい。

まとめ
今回の金融リテラシー調査によれば日本人の金融リテラシーは5ヵ国中最低で、「日本人は金融リテラシーが低い」という意見は数字上でも裏付けされていました。
実際日々のニュースなどを見ていると確かに金融商品への理解不足で起こっている事件が多い気がします。
とはいえ、最近ではSNSでの情報交換が活発になり20代でも投資に興味を持って始めている方も多く見かけます。
金融リテラシーは若いうちから積極的に身に付けていくべきです。どんどん情報共有して、日本の「お金の話はタブー、投資なんてやらん方が良い」という悪しき習慣を変えていきたいですね。
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手っ取り早く金融リテラシーを身に付けるなら、FP(ファイナンシャルプランナー)の受験をおすすめします。私の合格体験記も載せておきます。

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