長期投資において投資する企業選びは非常に重要です。
基本的に長期投資では一度買ったら売らないを前提にするので、もしとんでもない企業を投資先に選んでしまった場合は一生その失敗がまとわりつくことになります。
今回はそんな失敗を犯さないよう、私の視点で長期投資家が近づいてはいけない企業の特徴を紹介しようと思います。
皆さんの投資先選びの参考になれば幸いです!
・投資先の企業を選ぶときはここを見よう!
・株主軽視している企業を見極めるポイント
Contents
継続企業の前提に重要な疑義がある
まず挙げられるのが「継続企業の前提に重要な疑義がある」企業です。
普通に投資をしているだけではあまり聞きなれない言葉ですよね。詳しく解説していきます。
「継続企業の前提に重要な疑義」とは?
通常、上場企業のすべては将来にわたって存続することを前提として企業活動を行い、財務諸表もそれを前提に資産の評価等を行っています。
「継続企業の前提に重要な疑義」とはその前提に不確実性があるということで、財務諸表と併せて報告することを義務付けられています。
その不確実性とは何かというところですが、野村證券のHPでは以下のような例が提示されています。

毎年赤字であったり、借入金が返せない状態が継続に続いたりと営業活動を継続するのが困難となる要因がほとんどです。
「継続企業の前提に重要な疑義」のある企業は四半期決算短信の最後にその旨が記載されているのと、SBI証券のHPでも継続企業注記銘柄の一覧として掲示されています。

長期投資に向かない理由
これらの企業が長期投資に向かない理由は、言わずもがな倒産して株券が紙切れになる可能性があるからです。
必ずしもこの疑義が付いた企業が倒産するということではありません。一般的に疑義が付いた時には株価は下がり、解消された時は大きく上昇することが多いです。
そのため短期的な値動きを狙って売買する投資家も多いのですが、長期投資家にとって最大の失敗は投資している企業が倒産することであり、このような企業への投資はリスクしかありません。
よっぽどその企業が持ち直すという確証がない限りはこのような企業には近寄らないようにしましょう。
MSワラントによる増資を頻繁に行う
二つ目に挙げられるのはMSワラントと呼ばれる増資を頻繁におこなうことです。
この単語もあまり聞きなれない方が多いかもしれません。
MSワラントとは?
企業が新しい事業を始める際には資金調達を行う必要があり、その方法の一つにMSワラントと言われる手法があります。
MSワラントとはMoving Strike Warrant(ムービング・ストライク・ワラント)の略で、一言で言えば「お金を出してくれる証券会社に格安の値段で株を買える権利をあげます」ということです。
「悪魔の錬金術」とも言われていますね…(^^;
詳細は以下のサイトに分かりやすくまとめられているので、参考にしてみてください。
企業がMSワラントの実施を発表すると、個人投資家が一斉に売り出すのに加えて、証券会社も同時に空売りも入れるため株価は大きく下がることが多いです。
2019年下期にMSワラントを実施した企業を見てみましょう。

比較的時価総額が低く、バイオ株やゲーム株など大きな投資が必要な企業に多いことが分かります。
長期投資に向かない理由
短期的には株価の下落につながるMSワラントですが、なぜそれが長期投資に向かないのでしょうか。
それはMSワラントを実施する企業は株主を財布程度にしか思っていない企業だからです。
先ほど説明した通りMSワラントを実施すれば引受先の証券会社は大儲けしますが、その分既存株主は大きな損失を背負います。
MSワラントは銀行から借り入れ出来るほどの信用がなく、また公募増資や第三者割当も出来ない企業の最終手段ともいえます。
長期投資においてはそこまでしないと増資できないような赤字企業や、余裕があるのにあえてMSワラントを選ぶような株主軽視の企業は避けるようにしましょう。
社長や役員が自社株を頻繁に売っている
最後に挙げるのは社長や役員が自社株を頻繁に売っているような企業です。
一般的に上場企業の社長や役員は発行済み株式の何割かを保持しているものです。
そりゃ様々な事情があって持ち株を売るくとは珍しくないでしょう。しかし、株価が上がる度に社長が持っている株を売ってくる企業も中には存在します。
社長が株を売ることで有名な会社の一つにサイバーステップがあげられます。
株価が上がる度に経営陣のトップが持ち株を売るということは、それだけ現在の株価が割高で未来への展望がないということにもつながります。
社長などの発行済み株式の5%以上を保有する大株主が持ち株率を変更した際は5%ルールと言って変更報告書を提出する義務があります。
この報告書は株探でも見ることが出来るので、投資先を選ぶ際にはチェックしておきましょう。

まとめ
長期投資家が避けるべき企業の特徴を3つ紹介しました。
今回紹介した内容は売上や利益、財務諸表と言った数値面ではなく、企業の体質にかかわる内容がほとんどです。
売上や利益ももちろん重要ですが、流行や季節的な要因がありいくらでも挽回することは可能ですね。一方で企業体質は中々簡単には変えることが出来ません。
投資する上でその企業が株主のことをしっかり考えているかどうかは非常に重要なポイントだと思います。
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