こんにちは、はるまきです。
以前成長株に関する銘柄の探し方~企業分析のやり方についての記事を書きました。

この記事でも紹介した通り、株には大きく分けて下記の2通りがあります。
・成長株(グロース株)・・・毎年何十%も利益が伸びる企業。買値と売値の差益で利益を狙う。ハイリスクハイリターン。
・割安株(バリュー株)・・・企業価値に対して割安な株価になっている企業。配当利回りや長期での利益を狙う。ローリスクローリターン。
今回は比較的リスクの少ない割安株の探し方を紹介しようと思います。
割安株は本来の企業価値より株価が安いということなので、正当に評価されれば株価の上昇が期待できます。
またローリターンと言っても割安株は高配当銘柄も多いため、配当も考慮すると時間をかければ莫大な利益を得ることも可能です。
・割安株を探すポイントは低PER、高配当
・割安株を探すときに避けた方がよい業界
割安株で注目すべきポイント
リスクの少ない割安株を探すとき、どのポイントに注目すればよいでしょうか。
ここではスクリーニングする際の項目と目安を紹介します。
PER・PBR
PERとは企業が稼いだ利益に対して株価がどれぐらい割安かを測る指標です。
PERは下記の計算式で算出されます。
PER(倍) = 株価 ÷ 予想1株利益(EPS)
日経平均のPERが13~16倍なので、割安株を探すときはそれよりも低い13倍以下が目安になります。
またPBRは企業の利益でなく、資産に着目した指標です。
企業が持っている純資産に対して現在の株価が割安かどうかを測ります。
PBRは下記の計算式で算出されます。
PBR(倍) = 株価 ÷ 一株当たり純資産(BPS)
PBRが1倍であれば、現在の株価は企業が持っている資産と同等の水準、1倍を下回れば株価が企業の資産より安くなっていると言えますね。
現在の日経平均のPBRは1.1倍程度なので、割安株を探すときはPBR1.1倍以下を目安にしましょう。
また業界によっても平均PERは異なるので、実際にスクリーニングするときは業界別の平均値も目安にすることも重要です。
業界別の平均PER,PBRは日本取引所グループのサイトで知ることが出来ます。
(規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧 連結一部より作成)
これを見ると情報・通信業とサービス業のPER・PBRが高いことが分かりますね。
これらの業界は成長株が多く、割高に評価されている銘柄が多いためだと思います。
配当利回り
割安株を探す上で、特に気になるのはこの配当利回りでしょう。
配当利回りが高い企業は暴落時にも積極的に拾われるため強いです。
配当利回りは下記の計算式で算出されます。
配当利回り(%) = 配当金 ÷ 株価 × 100
東証一部の平均利回りは2%程度のため、スクリーニングでも2%以上を目安としましょう。
ROE
ROEは成長株の探し方でも出てきましたが、それぐらい重要です。
ROEは企業が自己資本でどれだけ効率よく利益を出しているかの指標となります。
ROEは下記の計算式で算出されます。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROEは株主が企業を評価する主要な指標のため、経営者もROEを高めることを経営理念としている企業も多いです。
一般的にはROEが10%を超えると優良企業と言われるため、今回も10%以上を目安にしましょう。
自己資本比率
自己資本比率は企業の総資産のうち、どれだけが返済の必要がないお金か、つまり自分のお金かを示します。
自己資本比率は下記の計算式で算出されます。
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本
自己資本比率が低いということは、それだけ借金経営しているということです。
成長株投資でもありましたが、自己資本比率は50%以上を目安にしましょう。
実際に割安株を探してみる
スクリーニングしよう
これらの指標で実際にスクリーニングしてみましょう。
スクリーニングには以前も紹介したバフェットコードを使用します。
使い方については前回の記事を参考にしてください。
検索をかけた結果、7/21時点で73件の企業がヒットしました。

ここからはそれぞれの企業について詳しく分析していきます。
スクリーニングの時点で割安株の基準はクリアできているので、あとは将来的にその事業が持続できるのかを見極めます。
割安株を探す時に注意すべきポイント
そもそも本当に割安な株があれば、需要と供給の関係ですぐに買いが入り水準は訂正されていくはずです。
割安株が割安のまま放置されているにはそれなりの理由があります。
これを見落としたまま投資すると「割安だと思って買ったのにいつの間にか業績が下がって割安じゃなくなった!」というような事態になりかねません。
そこでもう一度業界別の平均PERを見直してみましょう。

下記の業界は日経平均のperを大きく下回っています。
- 石油・石炭製品 … 景気によって収益の振れ幅が大きい
- 銀行業 … ゼロ金利政策での金利低下による収益悪化懸念
- 不動産業 … 住宅バブル崩壊時の収益悪化懸念
これらの業界の株は今後も割安で放置される可能性が高いため、よっぽどperが低かったり配当利回りが良いという以外では避けた方が無難だと思います。
まとめ
今回は割安株の探し方を紹介しました。
割安株は好業績にもかかわらず評価が低い銘柄ということで、リスクは低く投資初心者にもおすすめです。
またコカ・コーラやアップルなどの銘柄を発掘した伝説の投資家ウォーレン・バフェット氏も割安株投資家として知られています。
実際のバフェット銘柄はもう少し利益成長率を重視するのですが、今回はより低リスクに焦点を当てて条件を絞ってみました。
割安株は暴落時にも強いです。
今から目星を付けておいて、暴落が来たらいつでも買えるよう準備しておきましょう!