この記事では前回に引き続き、成長株の個別株投資で平均年利20%以上を目標にしている私の投資理論を紹介していきます。
前回はとっかかりである個別株の探し方についてご紹介しました。

今回は探し当てた個別株の中から、さらに優良銘柄を絞り込むための銘柄分析のやり方を紹介していきます。
個別株投資の醍醐味はまさにこの銘柄分析と言って過言ではないでしょう。注目するポイントは人それぞれかと思いますが、この記事では成長株に限らず企業を見る際に重要なポイントを紹介していきます。
・企業分析で重要なポイント
・企業分析で役に立つサイトを紹介
・決算資料を確認する時のチェックポイント
Contents
企業分析で確認すべきポイント
時価総額、営業利益成長率、PERを確認
私がスクリーニングで見つけた企業を分析する際にまず確認するポイントは時価総額や営業利益などの数字の部分です。
その企業がどのようなサービスを展開しているかの前に、まずは営業利益を中心に現在の業績を、そして時価総額とPERで市場からどのような評価を受けているのかを確認します。
特に利益成長率とPERの関係は重要で、私は基本的には以下の表に従って妥当なPERを算出しています。

これは成長率が0の企業の適正PERを10倍と仮定し、それぞれ毎年+10%,+30%…の成長率を達成する企業の適正PERを算出したものです。
これに従えばたとえPERが113倍という一見超割高銘柄でも、毎年+50%以上の成長が維持できるのなら許容できるということになります。
まずはざっくり毎年の利益成長率とPERを確認して現在の株価が割高水準なのかどうかを確認します。
また成長株の観点として、オニールの成長株発掘法で紹介されている「C(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-」と「A(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-」にも注目します。
・C(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-
⇒前年同時期の四半期売上、利益(EPS)と比べて最低25%以上の成長が2期以上続いている。
・A(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-
⇒年間EPSが3年連続最低25%以上成長していること
最低25%以上の成長はかなり厳しいハードルではありますが、これらの条件をクリアしてこそ真の成長株ということができます。
注意すべきは今期だけでなく、前年や前期の成長率も確認しておくことです。
ちなみにオニールの成長株発掘法は成長株投資家のバイブルと言われるほどの名著で個別株をやるなら是非一度は読んでおくことをおすすめします。
業種・事業内容・強みを確認する
決算内容から数字がある程度把握出来たら、次に業種やその企業の強みを確認します。
業種に関しては個人的には「サービス業・IT・通信業」を中心に分析し、逆に「不動産業・金融業」などの景気に左右されやすい業種は敬遠するようにしています。
理由はこの記事の通り、過去に10倍以上になった銘柄を分析すると圧倒的にサービス・IT通信業が多いためです。
私の場合、成長株への集中投資を実践しているためより伸びしろが大きい銘柄を狙うようにしています。
また事業内容だけでなく企業の強みの部分も重要です。
企業の強みを探す上では、競合他社の中でその企業が他にまねできないような独占的な技術やサービスを持っているかに注目したいです。
この点に関しては先ほど紹介したオニールのCAN-SLIM投資法の中でも「L(Leader or Laggard) -主導株か停滞株か-」として紹介されています。
独創性のある優れた製品やサービスを生み出し、最高の四半期EPS増加率および年間EPSの増加を示し、ROEも最大で、利益率や売上増加率も他社と比べてずば抜けている株
つまり株の世界においては買い付ける銘柄はその業界全体をけん引するような専門性あふれる企業でないといけません。
そのような銘柄をどのように探すかですが、一つは先ほど説明した売上高や営業利益成長率のような数字の部分。業界を牽引するような企業は、他企業と比べて営業利益率やその成長率がずば抜けていたりします。数字を見るときは同業他社と比較しながら分析するのが良いと思います。
ただしその事業の将来性などに関しては数字を見ているだけでは中々分かりません。
決算で開示される短信や決算説明資料にはその事業の特色が合わせて説明されていたりするので、数字だけを追うのでなく企業理念や展開事業の将来性にも目を配るようにしましょう。
例えば最近イケイケなBASE(4477)は決算説明資料の冒頭に企業のミッションや事業の特色が以下のように記載されています。


BASE株式会社「2020年12月期 第2四半期決算説明会資料」より
このように決算説明資料は視覚的にも分かりやすく企業の特色や現在成長しているサービスが紹介されているのでおすすめです。またその企業の中期経営計画にも投資のヒントは多く隠されているので確認することをおすすめします。
市場の受給を確認する
これは実際に買いポイントで詳しく分析する内容ですが、企業分析する際にもどれだけ個人投資家に人気がある銘柄なのかを確認しておきましょう。
一般的に人気がある銘柄ほど信用買い残が多く、売り圧力が強いため株価が上がりにくい傾向があります。
チャートの形も見るに越したことはないですが、この段階では信用買い残が日々の売買株数に対してどれぐらい積みあがっているのかを見ておけば良いです。
信用買い残の見方についてはこちらの記事を参考にしてください。

誰にでも分かりやすいほど将来有望な株はそれだけ人気も高く。株価が乱高下しやすいので注意が必要です。
株式投資の難しいところですが、需給を読んで出来るだけ誰も気づいていないタイミングで優良株を仕込むことができればベストですね。
分析結果は目に見える形で残しておく
ここまで数字、事業内容、需給の観点から分析する内容を紹介しましたが、企業分析をした際は是非目に見える形で残しておくことをおすすめします。
まとめ方は人それぞれですが、私は以下のようにその時の時価総額や事業内容、また買い判断の理由や懸念事項をまとめるようにしています。

記録に残しておくことで、調べた内容を忘れないようにするだけでなく、後々暴落が起こった際にも調査済みリストがあれば素早く買いを入れることが出来るようになりますね。
銘柄分析に役立つサイト
銘柄分析で確認するポイントは以上ですが、これらのポイントを確認するために役立つサイトをいくつか紹介します。
株探
株探では主に決算の推移や決算資料の確認をすることができます。
トップページではその日に発表されたイチオシ決算や、現在流行ってるテーマ株に関する特集が組まれていたりするので、銘柄探しのとっかかりにもなりますね。
また個別銘柄の決算タブを開くとこんな感じ。

過去5年分の決算期ごとの売上や営業利益推移が確認できます。ちょっと気になった銘柄を確認したいということであれば、株探で十分カバーできるでしょう。
マネックススカウター
私が銘柄分析で最もよく使っているのがこのマネックススカウターです。
マネックススカウターはマネックス証券の口座を持っている人しか使えませんが、それだけ機能はかなり充実しています。
株探で見れるような通期での業績推移や、四半期ごとの業績推移が過去10年以上にさかのぼって確認できるのはもちろん、PERの推移や過去の業績予想の修正履歴まで確認することが出来ます。
詳しくは別記事で紹介しているので、是非参考にしてみて下さい。

個別株投資をするならマネックス証券の口座開設は強くおすすめします!
まとめ
平均年利20%以上を目指すための企業分析についてご紹介しました。
今回紹介したような高成長で需給がよい銘柄は中々見つけることが出来ないものです。ただ年利20%という高い目標を目指すのであれば日頃から銘柄研究は必須だと考えています。
特に決算期は様々な企業の決算や来期予想が発表されるので大忙しですね。
次回は実際に銘柄を買うときに気を付けるポイントについて紹介したいと思います。
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