2月の下旬から始まったコロナウィルスの感染拡大による株価暴落ですが、日経平均は16,000円台前半まで下がるなどリーマンショックに次ぐ下落幅となっています。
さらに感染拡大は続いておりこの先も金融破綻につながるようなことがあれば、まだ今の株価は底を打ったとは言えない状況にあります。
私も投資歴は5年になりますがこのような暴落は初めてです。
途中までは余力を温存して傍観していたものの、中途半端な位置で買い向かってしまい大火傷を負ってしまいました。
大体このような暴落があったときは「あの時ああしていれば」、「次は絶対に暴落を食らわないようにしよう」と思いますが、上昇相場になればそんなことは忘れて再び同じ過ちを繰り返してしまうものです。
今回はこの経験を風化させてしまわないためにも、コロナショックによる暴落で私が学んだ3つの教訓について書き記しておきたいと思います。
コロナショックによる暴落振り返り
本題の前に今回起こったコロナショックによる株価暴落を軽く振り返りたいと思います。
3/21時点での日経平均とダウ平均の直近高値から直近安値までの下落幅です。
直近高値 | 直近安値 | 下落幅 | |
日経平均 | 24,115 (1/17) |
16,358 (3/19) |
7,757 (-32.1%) |
ダウ平均 | 29,568 (2/13) |
18,917 (3/19) |
10,651 (-36.0%) |
特に日経平均よりもダウ平均の下落幅の方が大きく、約1ヵ月で1万ドル以上も下落したのですね。
その下げ幅は-36%と驚異的なレベルに達しています。
米国株ブームに乗じて今年から米国株投資を始めた方には非常に厳しい環境になっていると思います。
歴代のダウ平均下落幅ランキングを作ってみたのですが、今回の暴落で見事にトップ5が塗り替えられました。
順位 | 日付 | 終値 | 下落幅 |
1 | 2020/3/16 | 20188.52 | 2997.10 |
2 | 2020/3/12 | 21200.62 | 2352.60 |
3 | 2020/3/9 | 23851.76 | 2013.76 |
4 | 2020/2/27 | 25766.64 | 1190.95 |
5 | 2018/2/5 | 24345.75 | 1175.21 |
しかも日が進むにつれて下落幅も大きくなっていることが分かります。最大の下げ幅を記録した3/16は終値ベースで3000ドル近い下落。
最近ではサーキットブレイカーが発動するのが日常茶飯事のような状態になっています。
今回の暴落をチャートで見ると以下の通り。
出典元:TradingView
青のラインが最安値ラインですが、ダウ平均は2016年の水準まで落ちてきました。まさにたった1ヵ月で3年分の上げを帳消しにしている状態です。
リーマンショックですら底値まで数ヵ月かかっていたので、この下落速度はリーマンショックを超えると言っても過言ではないでしょう。
今回の暴落で学んだ教訓
これほどの歴史的暴落を買いポジションを持ったままで真正面から迎えた私が、ここまでに学んだ教訓を3つ紹介していきます。
割安指標は意味をなさない
今回の相場で私が一番に感じたのは、これまで信じていた騰落レシオやPER,PBRなどの割安指標は暴落の前には一切意味をなさないということです。
これは以下の記事でも少し紹介しています。

この記事で紹介した騰落レシオやVIXは2月末時点で十分割安水準にあるにも関わらず、3月にはそれを無視してどんどん下げ続けました。
また他にもPERやPBRなど割安度を測る指標はいくつもありますが、それらは全て過去や今期の業績に基づく指標であるため、今後コロナウィルスでどこまで景気後退が起こるのか予想できない以上あまり信頼できません。
実際リーマンショックの時はPERが10倍を割り込む銘柄も多数ありましたが、来期の業績予想が出されると同時に一気に80倍程度まで上がるか、赤字予想で計測不可になるケースも多かったようです。
「割安指標は信頼せず、生き残ることを最優先に」
これが私の学んだ第一の教訓です。
暴落時に割安指標を信じて全力買いするのは、まさに落ちるナイフを掴みに行くようなものですね。
個別株は平気で半値まで下がる
今回の暴落で日経平均は32%の下落となりましたが、これは日本を代表する225銘柄の平均であり、日銀のETF買い付けによる買い支えが入った状態です。
個人投資家が多い新興市場での下落率は年初来高値から約41.1%の下落とさらにひどい状況になっています。
指数でこれだけの下げ幅と言うことは個別株では余裕で半値以下になっている銘柄もたくさんあるということ。
3/19時点で1ヵ月で半値以下になっている銘柄は260銘柄にもなるそうです。
1か月で-50%超 260銘柄、-40%超 848銘柄、-30%超 1820銘柄 pic.twitter.com/uZzeqJJRWL
— sak (@sak_07_) March 19, 2020
-30%越えだけでも1820銘柄!東証の上場企業数が3,712企業なので約半数が-30%以上の下落となっています。
個別株投資のリスクが高いのが分かりますね。私が買っている銘柄も高値から半値近くまで落ちてきました…
「暴落時に個別株を買う時は、半値まで想定して買うこと」
これが今回の暴落で学んだ2つ目の教訓です。
一番良いのは底を打つまで売買はしないことだと思います。ただ新規に始める人にとって暴落はチャンスでもあります。
暴落時に買い向かうときは信用取引は使わず、枚数も最終的に買いたい枚数の10分の1ぐらいから買い始めましょう。
暴落の前にはリスク回避資産の動きに注目
ここまで暴落が起きてからの対応を中心に紹介してきましたが、一番知りたいのはやはり事前に暴落を察知して回避する方法でしょう。
今回の暴落前にはリスク回避資産であるゴールドに資金が集中する現象が発生していました。
今日は円安の影響もあって日経は大きく上昇しました。
ただ一方でリスク回避先のゴールドが上がり続けているのも凄く不気味です🤔
まだまだ油断大敵ですね。【ゴールド】1609.80 (1㌘=5707円) pic.twitter.com/TQesAymT6p https://t.co/ZemEyPrzB8
— はるまき@資産運用ブログ (@harumaki_blog) February 19, 2020
通常ドル円とゴールドは逆相関で円安になるほど金の価格は下落するのですが、 今回の暴落前には円安にもかかわらずゴールドがどんどん買われていました。
それぞれのチャートで確認してみます。

2/7の上げ相場まではドル円とゴールドは逆相関でしたが、2/7以降は円安と共にゴールドの値段も上がっています。
そして最終的に暴落が始まると全部売れ協会でリスク回避資産であるゴールドも下落という動きになりました。
このように普段とは違うリスク回避資産の動きに注目することで、ある程度暴落を予期することも可能だということが分かりました。
「リスク回避資産の動きから暴落前の気配を読み取る」
これが今回の暴落で学んだ3つ目の教訓です。
まとめ
暴落発生前と発生後の対応について以下の3つを教訓としてあげました。
「割安指標は信頼せず、生き残ることを最優先に」
「個別株を買う時は半値まで想定して買うこと」
「リスク回避資産の動きから暴落前の気配を読み取る」
程度の差はあれど投資をしている以上、今回のような暴落は避けて通ることは出来ません。
そしてこの暴落を乗り越えることが出来れば、そこで得た経験はその後の投資人生において大いに役に立つことでしょう。
投資家にとっても辛い日々が続きますが、無理せず生き残りを最優先に頑張りましょう!
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