投資が世の中から敬遠される理由の一つに「投資はギャンブル」という意識があると思います。
いち投資家の私としてはその意見には即反論したくなるのですが、言われてみれば真剣に投資とギャンブルの違いについて考えたことはありませんでした。
どちらもお金を賭ける行為ですし、その境目ってどこにあるのでしょう。
今回は「投資はギャンブル」と言われたときに論理的に反論できるよう、投資とギャンブルの境界線を考えてみました。
Contents
投資とギャンブルの一般的な定義
まずはそれぞれの定義を確認しましょう。
Wikipediaで調べたところ、投資の一般定義は以下の通りでした。
投資とは主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(Wikipediaより)
一言に投資と言っても私たち投資家がお金でお金を稼ぐための投資から、資格勉強などの事項投資まで様々な種類があります。
すべての投資に共通するポイントは“将来的に”資本を増加させるための活動というところですね。
今回の記事では皆さんお馴染みの株式投資や投資信託などリスク資産に対する投資を取り上げていきたいと思います。
そしてギャンブルの定義はこちら。
gambleは娯楽としての賭博も含む広い考え方であり、危険性の高い冒険や意味のある危険、潜在性のある利益に手を付けること等という意味がある。(Wikipediaより)
ギャンブルにも幅広い意味がありますね。
お金をかける意味のギャンブル以外にもソシャゲーのガチャなどもギャンブルと言えます。
今回は投資との比較ですので、お金を賭けたギャンブル(競馬やパチンコなど)をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。
投資とギャンブルの境界線は?
それぞれの定義が分かったところで、実際に投資とギャンブルの境界線がどこにあるのかを考えてみたいと思います。
※あくまで個人的な見解であり、これが絶対的に正しいという訳ではありません。
投資はプラスサムだがギャンブルはゼロサム
投資とギャンブルの違いでよく言われるのがゼロサムかどうかです。
ゼロサムというのは「参加者の利益と損失をすべて足すとゼロになる」ことを言います。
ギャンブルでは賞金があるわけではなく、参加者同士で掛け金を奪い合うので必然ゼロサムになりますね。
さらに競馬やパチンコなどは主催する会社の利益もそこから引かれるので、参加者内ではマイナスサムになることがほとんどです。
株式投資や投資信託などの投資はプラスサムと言われます。
経済が成長する限り買い方有利で、中には企業の自社株買いや配当金もあるため長期で見れば参加者内の利益がプラスになるはずです。
様々なサイトでも株はプラスサムだから始めた方が良いという結論になっていますね。
投資には再現性があるがギャンブルにはない
ゼロサムかどうかが投資とギャンブルの境界線だとすると、競馬やパチンコはゼロサム以下なのですべてギャンブルということになります。
一方で株式投資や投資信託などのプラスサムとされるものはすべてギャンブルではなく投資だと言い切ってしまって良いのでしょうか。
これは私の持論なのですが投資とギャンブルを分ける大きな境界線は再現性があるかどうかだと思います。
再現性とは「特定の条件の下で高い確率で特定の結果になること」を言います。
同じお金を賭ける行為でも、結果に対して再現性があるのならそれは投資、再現性がないならそれはギャンブルだと私は考えています。
ものすごくざっくりした例で言うと、例えばコイントスをして表か裏かを当てるゲームがあるとしましょう。もちろんゲームに参加するには参加料が必要で、的中できればそれ以上のお金が手に入るとします。
ここで単純にお金をかけて表か裏かを当てるだけであれば、それはギャンブルといえます。なぜならコインで表か裏かが出るのは完全に運否天賦であり、再現性がないからです。

ではそのコイントスの結果にある規則性を見つけたとしましょう。例えば室内の湿度や風の流れがある一定の時は、比較的高い確率で表が出るということを発見したとします。
そうなればコイントスで表が出る方にお金を賭けるのは、その再現性に投資するということになりギャンブルではなくなります。
もちろん絶対表が出るわけではないので一時的に利益がマイナスになることもありますが、再現性がある限り賭けた金額は将来的な利益として返ってくるはずです。
このように私の持論では再現性がなく運否天賦に任せることをギャンブル、再現性があって積み上げていくことで将来の利益につながることを投資と考えています。
株式投資におきかえると、仮に適当に買った株が大当たりして莫大な利益を手にしたとしても、それがなぜ発生したのか、次に応用できるのかが分からなければ単なるギャンブルと言えますね。
逆に競馬やボートレースでも勝ちのパターンに規則性を見つけて、それで生計を立てている人もいます。
それらの人がやっているのは、再現性を元にした投資であり、もはや運否天賦のギャンブルではないと私は思います。
ギャンブルは目先の利益を追うが投資は将来の利益を求める
それぞれの特性として時間軸の違いも挙げられます。
ギャンブルなら当たった瞬間にお金を手にしてそれで終わりですが、投資は手に入った利益をさらに次の未来へ投資し将来の利益最大化を目指します。
そのため投資は時間軸が長期になりやすいです。
なぜそんなことが出来るかというと、やはり経済が成長する限り株価が上がり続けるという再現性があるからですね。
このまま投資していけば将来的にはさらに大きな利益を得ることが出来るということが分かっているからこそ長期投資が可能になります。
まとめ
投資とギャンブルの境界線はかなり曖昧なものだと思います。
自称投資家でも目先の利益ばかりを追求する売買をしていればそれはギャンブラーですし、競馬やボートレースで日々勝利の再現性を研究している人は立派な投資家とも言えます。
つまり一概に投資とギャンブルの境界を付けることは不可能で、結局はその人の向き合い方次第で投資にもギャンブルにもなるというのが私の結論です。
「投資はギャンブル」という意見に反論するための記事でしたが、その人任せな結論になってしまいました…(笑)
みなさんも今一度投資との向き合い方を見直してみてはいかがでしょうか?
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