こんにちは、はるまきです。
例の老後2,000万円問題があってから、積み立て投資で老後に備えようという方も増えてきた気がします。
以前は多くの人が証券口座の開設に動き出しているというニュースもありましたね。
老後2,000万円問題で多くの人が証券口座を開設しているようです💡
ただ今の日本市場は個人的にかなり難易度高いと思うので、あまり無理しないで…😖
https://t.co/YZ9ERdLY1N— はるまき@資産運用ブログ (@harumaki_blog) 2019年6月25日
資産運用ブログを運営している身としてはとても喜ばしい限りです。
しかし積立投資といえど投資は投資です。
生半可な気持ちで積立投資を始めると途中で「こんなはずではなかった」と投げ出してしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は積立投資を始める前に読んでもらいたい3つの注意点について解説します。
積立シミュレーションの罠
あなたは何をきっかけに積立投資を始めようと思いましたか?
よく積み立て投資のメリットとして例に出されるのが下記のグラフです。

これは金融庁の資産運用シミュレーションで年利5%で毎月5万円ずつ積み上げた結果です。
これを見ると毎年一定額の利益が発生しており、しかもその額は年々大きくなっていますね。

こう思う方も多いのではないでしょうか。
確かに早く始めた方が有利なのは間違いありませんが、このグラフには1つ注意点があります。
それは実際の株価は上下に変動するということを考慮していない点です。
ここでこのブログでもお勧めしている米国株連動の投資信託であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のチャートを見てみましょう。

これは1年間のチャートではありますが、実際にはこのように±10%前後の変動があります。
この1年は貿易摩擦などの影響があり株価が荒れていたので、特に変動が顕著ですね。
金融庁の積立シミュレーションでは毎年利益は+5%になること前提で積み上げられているので、いざ始めるとこの変動幅に「聞いていた話と違う」となってしまいがちです。
投資信託は比較的安全と言えど、株価指数と連動している時点でリスクはあります。
この前提を元に積立投資を始める前に気を付けたい3つのポイントを紹介したいと思います。
積立投資で注意すべき3つのポイント
では「株価は上下に変動する」という前提を踏まえると、積立投資はどのように進めていくべきなのでしょうか。
積立投資を始めるにあたっては、下記の3つのポイントを意識しておきましょう。
- どんな時でも積み立てを辞めないこと
- 生活費を考慮した積立金額を設定すること
- 分配金は再投資すること
どんな時でも積み立てを辞めないこと
積立シミュレーションのように誰もが順調に毎年利益を積み重ねていけるとは限りません。
最初の1,2年は損益がマイナスで推移する可能性も大いにあります。
しかし積立投資で大切なのは途中で投げ出さず、どんなことが起こっても変わらず毎月積み立てることです。
例え株価が暴落して損益が-10%を超える事態になったとしても、毎月一定額を積み立てていれば元の株価に戻ったころには利益が出ています。
これは投資界でも有名なドルコスト平均法という手法ですね。

これはSBI証券のHPから持ってきたドルコスト平均法の説明画像です。
このように例え株価が高いタイミングで買ってしまったとしても、それ以降も積み立てを辞めなければ結果的には高値掴みのリスクも減らすことが出来ます。
このことが意識にあるかどうかで暴落時の心構えもかなり変わってきます。
積立投資を始める際には、途中で諦めないということを固く誓いましょう!
生活費を考慮した積立金額を設定すること
積立投資が儲かるからと言って生活費も払えないぐらい投資に回すのはNGです。
生活費まで投資に回すと①で解説したような毎月積み立てるということも困難になってきます。
特に大きな出費の予定がない場合でも、生活費は最低限3ヵ月は用意しておくべきと言われていますね。
以前貯金と投資の最適な割合について記事にしていますので、是非参考にしてみてください。

あくまで積立投資の根本は余ったお金を少しずつ積み立てることで、長期的に大きな資産を築き上げることです。
積立金額は自分の生活に影響のない範囲で、長期間続けられる金額にしましょう。
投資信託は無分配型か再投資型を選ぶこと
投資信託には分配金の取り扱いにより下記の3種類があります。
分配金とは、投資信託の運用利益や元本から、投資家に資産の一部を払い戻すお金のことですね。
- 無分配型 ・・・ 配当金を出さないことを基本とした投資信託
- 分配金受取型 ・・・ 都度分配金を受け取る
- 分配金再投資型 ・・・ 分配金は再投資され保有口数が増える
1はインデックスファンドに多く、2と3はアクティブファンドに多いです。
分配金はあった方が良いじゃん!と思われるかもしれませんが、無分配型は配当金の分をファンド内で再投資に回すのでその分基準価額が上昇します。
以前紹介した楽天VTIなどのインデックスファンドはすべて無分配型ですね。
なぜ分配金受取型以外の2つを選ぶべきかというと、利益を再投資に回すことで複利の効果を最大限に利用できるからです。
分配金を都度受け取っていては、年利5%で増えるとしても元本に対する利率にしかならないため、最初に見せた積み立てシミュレーションのようにはなりません。
投資信託の利益で贅沢したいなどの願望が強くない限りは、分配金受取型は選ばないようにしましょう。
まとめ
世間では老後の資金問題で口座を開設する人が増えていますが、利益ばかりが目に入ってリスクを理解しないまま投資を始める人が増えないか心配です。
積立投資の極意は長期目線で毎月継続して資金を投入することに尽きます。
株価が下がっているからと途中で資金投入を辞めてしまったり、生活が苦しいからという理由で投資自体を辞めてしまうのはもったいないですよね。
積立投資を始める前には是非これらの注意点を意識して、リスクを把握したうえで投資ライフを楽しみましょう!